4日目
9月29日(火)
天気 晴れ
甲府市街(観光)12:30発~18:00宇都宮着
走行距離290km
せっかく甲府市に来たのだから,日本の代表する戦国武将,武田信玄が奉られた甲斐善光寺・武田神社を観光することにした。無事帰宅できるように参拝しそれらを後に宇都宮へ我がバモスを走らせた。
途中,甲府市街国道20号線沿いにある,ほうとう店によった。私が食べたのは,「里芋ほうとう」だ。麺はモチモチで味噌もスッキリしていて汁も全部飲み干してしまうほど美味しかった。
18:00宇都宮に到着,熱い握手を3人で交わした。
今回の登山は,体力・技術的に今まで経験してきたことが全て活かされ,今後の人力活動に留まらず私生活にも繋がった大いなる自信となった。日常生活でも今回の登山のように何事も辛くても諦めず,一歩一歩地道に積み重ねることによって,言葉には表わせないほどの目標達成を掴むため頑張って行きたい。
1日目
9月26日(土)
天気 晴れ
宇都宮10:00発~山梨県芦安17:00到着
走行距離270km
今回は3泊4日と遠距離にしては,やや短めのプランであるため,人力軽クラブでの活動となった。
参加者は,サロメ・ミスターP・MARKの3名。
宇都宮を10:00に出発し,国道4号線をひたすら南へ進み,途中埼玉県春日部市にある「道の駅庄和」でお昼休憩をとることにした。
そこでの昼食にミスターPの奥様が作ってくれた弁当をいただいた。そのお味はまさに愛妻弁当。何よりもおいしく,新婚ミスターPが実に羨ましい!ミックス!
首都圏からは混雑が予想されるため,浦和ICから高速に乗ることにした。
人力軽クラブ的に高速はなるべく使用しないのだが出発時間が遅く,さらに首都圏を跨ぐ遠距離であるが故の特例行為である。
首都高から中央道へ思いのほか道は空いており,目的地の山梨県芦安温泉郷に到着したのは17:00であった。
一泊目にお世話になる旅館は「白雲荘」という温泉旅館だ。明日の登山用具をザックにパッキングし終え,早速温泉に浸ることにした。浴室も広くゆっくりできる。泉質は無褐色透明でクセのないお湯だ。
夕食は18:00からで,山菜の天ぷら・山女の蒸焼・を初めとして全11品目も出され豪華な品揃えであった。
さすがMARKさんの調査の賜物!インターネットの口コミもまずまずなだけあり,大満足でき思わずお酒が進んでしまった!
芦安到着
日本一の富士山を登頂し,新たなる目標を探していたところ,日本で2番目に標高の高い山である北岳登山を計画し,一年間練りに練った結果,今回の企画が実現した。
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丸太の道の強度が心配だ!
広河原山荘
ガスが晴れた
里芋ほうとう!
宇都宮へ無事生還!
これから挑戦する間ノ岳と富士山をバックに
南アルプスの水はうまい
広河原登山口
白根御池
分岐点
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北岳
無事下山完了
北岳バットレスとサロメ
武田神社
甲斐善光寺
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人力カメラマンMARKさん
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北岳山荘
二俣
3日目
9月28日(月)
天気 晴れ
登山ルート 北岳山荘~中白根山~間ノ岳(往復)~八本歯のコル~二俣~白根御池分岐点~広河原山荘~甲府市街ビジネスホテル
4:30起床。まだ日が昇っていない月明かりが燈る山荘の窓の先の景色を眺めて見たところ,昨日のガスはすっかりなくなり一面の雲海の先に,うっすらと富士山が見えるではないか!
この瞬間,背筋がゾクッとして一気に頭痛と眠気が吹っ飛び,日出を期待に胸を膨らませ,私たちはカメラを構え待った。
待つこと30分。5:00雲海から太陽が昇り始めると同時に体の中から何かが込上げてくるこの力,そして感動。日常生活の小さなこと,くだらない考え事などすべてをこの陽光がリセットしてくれる。
この絶景に私たちの心は,しばらくの間すいこまれていた。
さて,今企画のメインルートである北岳から間ノ岳への尾根は3000mを越える日本で一番標高の高い尾根であり,通称「天空の尾根」と言われている。
また,山荘職員の話によると,今年の間ノ岳の紅葉は例年にない当り年だそうだ。どんなすごい景色が待っているのだろう。
5:30朝食を食べ,6:00日本第4位の高峰である間ノ岳を目指しスタート。360°見渡すかぎり雲海が広がり,富士山をはじめとして,そこから飛び出る迫力のある山々を堪能しながらの尾根歩き!
この絶景を一言で表すなら,まさに「西遊記での天竺へ向かい觔斗雲に乗って飛んでいるかのよう」とでも言えば伝わるだろうか。正しく日本一の尾根である。7:00中間地点である,中白根山山頂に到着。
このあたりから,強風が私たちの尾根歩きの邪魔をするようになってきた。かなり寒い!
間ノ岳までもう少しだ。紅葉にあっては,高山特有すばらしい彩りで抜群の眺めだ。途中,滑落危険大の岩場があった。この景色に吸い込まれすぎて足場をとられれば命を落としてもおかしくない。慎重に足を運んだ。
8:20間ノ岳山頂到着!山頂からの展望は若干曇ってきたものの,富士山もバッチリ見えこれはこれで最高だ。しかし,風が強すぎる!三脚が風に煽られ倒れないよう写真撮影を終え,下山の運びをとることにした。
帰りのルートは時間の都合上,登ってきたルートと同じコースで下山することにした。一番下山に苦労したのはやはり八本歯のコルだ。
朝食の時に北岳山荘の方が「登山は,上りは体力。下りは技術力が必要です。熟練者でも八本歯のコルで滑落している人は多数います」と私たちに注意を促してくれたのをこの場で思い出した。
上り同様ステッキをたたみ,一歩一歩岩場の安定を確かめながら最善の注意を払い降下した。
15:20無事,広河原山荘登山口に到着。
2日間の登山で体中に乳酸が溜まっている。帰りは市営芦安駐車場到着後,甲府市内のビジネスホテルに泊ることにした。その夜,地域密着型の焼肉店に入店し,人力活動を無事成し遂げた私たちは祝杯を交わした。
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八本歯のコル
2日目
9月27日(日)
天気 晴れのちガス
登山ルート(大樺沢コース)広河原山荘~白根御池分岐点~二俣~八本歯のコル~北岳山頂~北岳山荘
5:30分に起床し,市営芦安駐車場から広河原までバスに揺られること1時間,北岳の麓へ到着したのが7:00。
再度装備の確認を各自実施して,広河原山荘から7:30登山開始。
登り始めから周りの山々の壮大さ,また一面の紅葉にいきなり魅了され,これから登る北岳への期待で胸がワクワクしてくる。日本百名山でしかも標高日本2位ともなると登り出しぐらいは丸太などで多少整備されていそうなものだが,このコースに関してはそんなものはなく,いきなり岩がゴロゴロしている状態だ。
この得体の知れない山。本当に期待大だ。樹木が生い茂った中,至るところに滝や沢があり,それらの水を飲んでみると,さすが南アルプスの天然水だ。甘みがあり体にスーッと入っていく。水量豊富で,しばらく水には不自由しなかった。
黙々と登ること2時間半,二俣の手前に今まで小さく見えていた残雪がガスと共に目の前に広がっていた。それは,何層にもなっており,長い年月を感じさせる。二俣を越え,さらに登っていくと急傾斜になっていくと同時に,次々と丸太で作られた梯子が出現。
この梯子がなければ,完全にロッククライミング状態の斜面である。また,有名なあの「北岳バットレス」も,前方に堂々と聳え立っている。
13:20八本歯のコルに到着。かなりの急斜面で,しかも大小様々な岩がゴロゴロしており,しかもぐらつきのある岩が多数,今日一番の何時滑落してもおかしくない危険ルートだ。
登山ステッキをザックに収納し慎重に岩をガッチリ掴み登った。
八本歯のコルを攻略した私たちの先には,明日登る間ノ岳までのあの一年越しに本やインターネットで見てきた「天空の尾根」が広がっていた。尾根の手前に本日の終着地である北岳山荘も見える。この風景に私たちは吸い込まれ感激にひたった。
しかし,この頃から頭に違和感が・・・この症状はまさか・・・どうやら今回も富士山同様に高山病に陥ってしまったようだ。
この辺りの標高は約3100m地点。富士山に例えれば約8合目となる。だが,標高的にもあの時の富士山頂上ほどの激痛ではない。高山病対策である深くゆっくりの呼吸を心がけ,本日のメインである北岳山頂目指し,頭痛及び乳酸の溜まる大腿筋に渇を入れなおし黙々と登って行く。
15:00北岳山頂(標高3193m)到着!残念ながら360°辺り一面ガスがかり視界は不良だ。究極の絶景を求め30分ほど山頂で粘ってみたものの,まったくガスが晴れる兆候はなしと私たちは判断し,北岳山荘目指してラストスパート。
16:50本日のゴール地点である北岳山荘に到着した。
北岳山荘は標高2900m地点と極めて高い場所に位置し,展望が素晴らしい。風呂こそないが収容人員150名と広く,設備も町営だけありしっかりしている。また,夕食,朝食も作ってくれ,インスタントラーメン(350円)やアルコールなどの細々としたものも富士山の山荘に比べて安いのが印象的であった。
9月とは言え標高2900mの夜はかなり冷える。山荘の職員に聞いたところ,朝方は零下になり,霜が降りるそうだ。掛布団2枚+毛布3枚で9:00に就寝した。
しかし頭痛が一向に治らない。ウトウトするものの,1時間おきに目が覚めてしまう。そんなことを繰り返し十分な睡眠はとれなかった。
中白根山
間ノ岳
中白根山頂
富士山と朝陽
朝陽を拝む
白雲荘の夕食
明日の登山に向けて
標高が高くなってきた
もう少しで二俣。遠くに残雪が見える
今日の目標。間ノ岳山頂到着
天空の尾根歩きの始まりだ
まさに天竺!虹も出現!
富士山をバックにベストカメラ
北岳山荘前にて
もうすぐ北岳山荘
北岳山頂到着
北岳山頂までもう少し
危険な八本歯のコルを登る
ハシゴの斜度も急になってきた
前方に聳え立つ北岳バットレス
ハシゴが出現
二俣手前に残雪が!
これから登る北岳をバックに
北岳のバス停
白雲荘前にて
昨日昇った北岳