犬も整腸が大切 腸は第二の脳 犬も人間も

健康を作り出す腸には大きく8つの役割があります。その8つの役割に密接に関わっているのが乳酸菌・ビフィズス菌・酵母菌などの善玉菌です。腸は細菌と共存し、犬も人間も生きていくための働きをしているのです。
- ・消化:胃での消化より腸での消化の方が、比重が高い
- ・吸収:生きるための栄養素は、腸で吸収
- ・合成:ビタミンB2やB6などを合成する細菌が確認されている
- ・解毒:毒を無毒化
- ・造血:腸から吸収されたタンパク質が血液を作る
- ・排泄:不要な老廃物と毒素を排泄する。
- ・代謝:入る(6割)対出る(4割)の代謝を行う。これが狂うと血液傷害などを起こす。
- ・免疫:乳酸菌の分泌物(ペプチドグリカン)が腸から吸収され、免疫力を高める。
犬も人間も生命維持のため、毎日食物を消化の役割を担う腸に送り込みます。腸は、その栄養成分などを分析し膵臓、肝臓や胆嚢に命令します。タンパク質や脂肪が入ってくれば、膵臓に命令し分解するための酵素を腸に分泌させます。腸が有害物質を察知すると、腸壁から大量の液体を分泌させ、下痢を起こさせ毒物を体外に排泄します。下痢は生きるための防御機能で、もしこの機能が無ければ犬も人間も動物の多くが直ちに絶滅してしまいます。
このように、腸は体に必要なものは吸収し、有害なものは排泄するといった脳のような判断を実施している臓器なのです。それと、蠕動運動です。食物が腸に入込むと内壁が刺激されます。すると、口側は収縮され肛門側は拡張され、食物を肛門側へ誘導します。決して逆流はしません。これを腸管の法則と言うようです。これも腸の独立した機能のようです。
このような驚く機能は、脊髄から独立しているとのことです。その証拠に、交通事故などで脊髄を損傷し植物人間のように脳死になっても、腸は正常に機能していることから言えます。また現在の研究で分かっているもので、心の病気であるうつ病に密接に関係する脳内神経伝達物質のセロトニン(感情のコントロールするもの)が腸で多く(95%)生成されているとのことです。
なぜ、腸はこのように重要な臓器なのでしょうか。それは、生物の進化の過程をみると分かります(進化論が正しければ←否定する考え:創造論)。アメーバなどから始まる進化論で、5億年前の原型を留める原始的な生き物イソギンチャクは、食物を口から取り入れ、腸で消化したのち口から排泄します。ところが、進化と共に腸の周りに神経が張り巡らされ、そこから肝臓、膵臓や腎臓などの臓器や最後に脳を作られたと考えられています。このとき、神はすばらしいことに、脳や脊髄からの司令が無くとも臓器全体が機能するように、腸にも脳の機能を残しました。このことから、現在では腸は第二の脳と言われています。本当は、進化の過程からは、第一の脳が腸で第二の脳は頭蓋かもしれません。
簡単な内容ですが、心身の健康には整腸が大切であるということが、少しお分かりになったかと思います。次に、この整腸の強力な助っ人で絶対的存在の、乳酸菌・ビフィズス菌・酵母菌などの善玉菌について説明します。整腸を目的とした乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルト、オリゴ糖などはコマーシャルに良く出てくる言葉ですね。
犬も整腸が大切 善玉菌の力

牛や馬のような草食動物は、なぜ肉や脂肪が付くのでしょうか?それは、草の主成分セルロースを腸内細菌が分解し、肉の主成分であるタンパク質を合成しているからです。
人体にも、100(500)種類100兆個1kgの腸内細菌が住んでいます。代表的な腸内細菌は大きく分けて善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分けられます。腸内細菌は年齢と共に変化します。整腸を意識しないと、年齢を重ねることに善玉菌は減少し、悪玉菌は増加していきます。若さや健康を保つには善玉菌の比率を高めることが必要です。もしかしたら、善玉菌などの腸内細菌は、老化と関係しているのかもしれません。
母親の胎内にいる赤ちゃんは無菌状態ですが、生まれるときの母体や外気に触れると菌は入り込みます。赤ちゃんは、まず母乳からの乳糖・オリゴ糖などでビフィズス菌が増殖します。赤ちゃんの便が黄色っぽく臭くないのは善玉菌であるビフィズス菌優位の腸内環境となっているからです。この善玉菌であるビフィズス菌優位の腸内環境が、健康に育っている一つの合図です。赤ちゃんは言葉で意思を伝えられません。犬も同じです。その後、離乳食を食べ始めると、大人の菌叢になり始めます。菌叢とは、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の集合体です。
ここで善玉菌や悪玉菌の理解を深めるために善玉菌は発酵させ、悪玉菌は腐敗させると考えると分かりやすいと思います。例えば牛乳に乳酸菌を入れておくとヨーグルトという有用な栄養価の高い食物に変わります。牛乳を外気に触れさせ雑菌が入り込むと腐敗し悪臭を発します。これと同様なことが体内で行われているわけです。そして有用な食物ヨーグルトは、日本人が少し苦手な牛乳に比べおなかに優しくなりますね。v('▽^*)OK♪
大腸菌・ブドウ球菌やウェルシュ菌に代表されるような悪玉菌は、食べ物を分解してアンモニアや硫黄化合物のような悪臭を放つ有害物質をつくり出します。これらの有害物質は便秘や下痢などの原因になるほか、肌荒れを引き起こし、また動脈硬化、高血圧、ガンなどの生活習慣病の原因になるとも考えられています。
一方、乳酸菌やビフィズス菌の善玉菌は、悪玉菌の増殖を抑えて、腸内菌叢のバランスを好ましい状態に保ってくれます。善玉菌のつくる酸が悪玉菌を減らします。また、腸に刺激を与えて動きを活発にし、便をすみやかに排泄させて、有害物質がたまらないようにしてくれます。
さらに、善玉菌は、人間の健康に役立つビタミンなどの物質を作り出すなど、体によいさまざまな働きをしてくれるのです。日和見菌は、何故か優位な方の見方になるようです。ですから常に善玉菌は優勢状態にしておくことが必要なのです。整腸は、人や犬など全ての動物の健康を維持するための源なのかも知れません。v('▽^*)ラジャー♪
犬も整腸が大切 ヨーグルトとオリゴ糖

上記で述べた整腸の考え方をプロバイオティクスと言うようです。プロバイオティクスとは、体内の善玉菌を増やして腸内細菌のバランスを保ち、病気になりにくい体を作る予防医学のことです。
プロバイオティクスは、予防医学の重要性と抗生物質治療の限界を背景に定義されたようです。プロバイオティクスは抗生物質に対比されています。プロバイオティクスとは、「腸内菌叢のバランスを改善することにより、宿主に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されます。まさに整腸です。
栄養素を待ちかまえている大腸にいる善玉菌へは、食物の栄養素が殆ど小腸で吸収されてしまいますので、中々届きません。しかし、小腸で消化されないオリゴ糖は大腸まで届き、善玉菌の栄養となるのです。ヨーグルトの乳酸菌・ビフィズス菌は生物で、生きている状態で腸まで届いたときに始めて活躍します。でも、ヨーグルトの乳酸菌・ビフィズス菌の多くは胃酸や担汁で死滅します。しかし死しても力をもっていて悪い菌をすいつけて外にでてくれます。腸内細菌やヨーグルトの働きは、今もなお研究が盛んに行われています。よく腸まで届き整腸を助ける善玉菌とかで、各社からヨーグルトがテレビコマーシャルされていますね。
例えばヨーグルトに関することですが、2004年3月広島で開かれた日本農芸化学会大会で、免疫のTh1/Th2バランスが崩れてTh2優位になっているアレルギー状態が、乳酸菌の経口摂取で改善するという研究成果が相次ぎ発表されました。カルピス、キリン、雪印乳業、明治乳業、ヤクルト本社が自社の乳酸菌株について、アレルギー対策機能の研究で成果を挙げていることが明らかになってます。各社とも、ヨーグルトの力を認め研究しているわけです。ブルガリアは、ヨーグルトで長寿という話は有名ですね。
我が家の愛犬フローレンには、整腸のため朝には「ヨーグルト ダノンBioプレーン無糖 1/4カップ」と、朝夕とも「水 50cc+蜂蜜小さじ0.5+オリゴ糖小さじ1」与えます。結果、愛犬の便とおならの臭いが改善されました。ヨーグルトやオリゴ糖は、人間も犬も健康の秘訣かもしれません。ヨーグルトとオリゴ糖のどちらか一つと言われたら、取りやすさ・価格面・継続性と短期効果(実感)を考慮してオリゴ糖を勧めます。でもやっぱり整腸の重要性を訴え、ヨーグルトの良さ、バナナの良さそしてオリゴ糖の良さをそれぞれ説明し、強くヨーグルトとバナナにオリゴ糖を加えて食べてと勧めます。
ヨーグルトとオリゴ糖そしてバナナは健康のトライアングルとFlorenが命名しました。これもまさに医食同源です。整腸という言葉を意識することは、健康に直結します。意識の醸成から何回も口にし覚えることをお勧めします。整腸、整腸です。
犬も整腸が大切 犬も整腸効果が抜群 オリゴ糖

整腸のエースであるオリゴ糖にはいろいろな種類があります。基本的に小腸で吸収されてしまう消化性のものと、消化されずに大腸まで届き、ビフィズス菌など善玉菌の餌となる難消化性のオリゴ糖があります。幼児のお菓子や整腸を目的としてたサプリメントは難消化性のオリゴ糖です。現在、オリゴ糖は美容面からも注目されています。
なお、オリゴ糖を食べてしばらくすると、お腹が張ったり、おならが増えたりします。これはオリゴ糖が腸で働いて、善玉菌が元気になり一時的に炭酸ガスが増えるためで、悪玉菌が作るメタンガスと違って臭いがありません。ビフィズス菌など善玉菌が元気になってきたサインと言えます。多くの人で、次第におならの回数は減ってくるようです。
以下は整腸促進のオリゴ糖の種類のなかでも、一般的にも知られている代表的なものです。整腸を心がけているので私も愛犬ウエスティもオリゴ糖は無糖のヨーグルトに入れて摂取しています。なお、オリゴ糖は6.乳果オリゴ糖の商品「オリゴのおかげ」を摂取しています。
- 1.フラクトオリゴ糖
- ゴボウやタマネギなどの野菜に含まれているオリゴ糖で、くせがなく、まろやかな甘さが特徴です。整腸の促進する善玉菌を増殖させる他、ミネラルの吸収促進、骨密度の低下を抑制するなどの効能があります。
- 2.キシロオリゴ糖
- 食物繊維を特別な酵素で分解して作られた、低カロリーで虫歯の原因なりにくいオリゴ糖です。少量でも継続して摂取すると整腸促進のビフィズス菌の育成を促進する効能があります。
- 3.大豆オリゴ糖
- 天然の大豆をもとに分離・精製して作られたオリゴ糖です。整腸促進のビフィズス菌を増加させ、便通の改善や免疫力を向上させる効能があります。
- 4.ガラクトオリゴ糖
- 母乳に多く含まれているオリゴ糖でさわやかな甘みを特徴とし、健康食品などでは乳糖(ラクトース)を原料に生産されています。整腸促進のビフィズス菌を増殖させ他、たんぱく質の消化吸収を助けるといった効能があります。
- 5.イソマルトオリゴ糖
- 熱や酸に対して極めて強い性質であり、虫歯になりにくいといった特徴があります。整腸促進のビフィズス菌や乳酸菌を活性化させます。
- 6.乳果オリゴ糖
- ラクトスクロースとも呼ばれ、天然のサトウキビに含まれるショ糖と牛乳に含まれる乳糖を原料にして生まれたオリゴ糖です。砂糖に近い自然の甘味が特徴とし、難消化性で高い整腸促進のビフィズス菌増殖機能を持っています。
- 7.ラフィノース
- ビート(砂糖大根)から分離・精製して作られる天然のオリゴ糖で、全く吸湿性がないといった特徴があります。腸内菌叢改善と免疫力の向上やアレルギー症状の緩和などといった効能があります。
注意しなければならないのは、整腸促進のオリゴ糖だけで健康が維持するわけではありません。三大栄養素のたんぱく質、炭水化物と脂質、それとミネラルやビタミンなどのバランス摂取が必要であることは言うまでもありません。ただ、オリゴ糖は腸内環境を整え、結果免疫力向上といった効果をもたらすのは事実です。
オリゴ糖を多く含まれる食材は、野菜類では玉ねぎやネギ、キャベツ、ゴボウ、アスパラガス、ジャガイモ、麦類、ニンニク、トウモロコシ、枝豆や大豆、果物のバナナ、天然の蜂蜜などです。ただ、毎日善玉菌のエネルギーとなるオリゴ糖の必要量を摂取するのは難しいです。ですから、スーパーなどで甘味料として売られている液状のオリゴ糖を砂糖代わりに利用すれば、整腸促進も習慣化となり、容易に継続摂取できますのでお薦めです。