『けだもの組合』 1930年 ヴィクター・ヒールマン監督
チャールズ・チャップリン、バスター・キートンらと共に世界の映画喜劇で近年もっとも深い興味で再認識されているマルクス・ブラザース。「シュールレアリスム的」とさえ形容された超論理的な笑いが現代の感覚にふさわしいのかもしれない。
こすっからく動き回りピアノが得意のチコ(1981年生まれ)、口をきく代わりにラッパを鳴らしハーブ演奏が得意なハーボ(1893年生まれ)、おかしな口ひげを描いて眼鏡をかけフロック・コートで図々しく動きしゃべりまくるグルーチョ(1895年生まれ)と、当初はゼッポを含む4兄弟で活躍。彼らが繰り広げるデビュー作の『ココナッツ』('29年)や『けだもの組合』、『我が輩はカモである』('33年。レオ・マッケリー監督)、『オペラは踊る』('36年。サム・ウッド監督)や後年の『競馬騒動』('50年。チェスター・アースキン監督)など、その破天荒なギャグは今日のコメディとは次元の違いすら覚え無論最大の魅力なのだろう。