近江の国、滋賀県には「三方よし」と云う、すばらしい言葉があります。
石川、福井、滋賀、京都あたりでは、まだまだ庶民の暮らしの中に神仏の教えが深く根付いています。

 日本三大商人と言えば大阪商人、伊勢商人、そして近江商人、さらに四国愛媛の伊予商人を含めると関西の人達は、いかに優れた才覚を持った文化圏であったことを如実に表しています。ことに近江商人の云われる「三方良し」の言葉は、いまでも滋賀の人々の間で受け継がれている言葉です。
昔とは商いの形態が変わったといっても 「売り手よし、買い手よし、さらに、世間よし」のこの精神は変わりません。この言葉を社是として経営されている中小企業の会社も数多くあります。

 当時の近江商人に共通している基本理念は、仏心が篤いことに起因しています。 その信仰心が商いの背骨にあり、「利を薄くした商い」、そして「質素倹約に心がける」、さらには「地域の人のために役立つ」。この三つは、報恩感謝に裏打ちされて 各地を巡る近江行商人の商いの基本でもあった訳です。 そしてゆるぎない家訓として商家の間で語り継がれていきました。

現在は、土曜、日曜祝祭日と年間休日が100日を越えると思います。一年の365日の約4分の1にあたります。その昔は体を酷使する仕事がほとんどでした。労働条件も劣悪で今日の比ではありません。 仕事の形態が変わったとはいえ、中小零細企業が90%を占める状況では、かってのバブル時期のように「贅沢は素敵」と言い続けていく訳にも参りません。 京都の有名な会長さんの言葉を借りれば、日本人はバブル体験によって勤勉の精神がすっかり変わってしまったと話されていました。

日本人の勤勉さは世界でも指折りの中に入っていましたが、近年は、その良さが失われてしまったように見受けます。 
近江商人の根本思想は「入るを計って出ずるを制す」にあると云われています。これから個人の所得がどんどん減っていく中、いまこそ質素倹約、無駄を省く姿勢が必要になるかと思います。

コラム  「三方よし」に学ぶ
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