手作りのロースハム、自然な味が楽しめます。
通常の燻製の手順に加え、糸巻きやボイルなど面倒な工程があって時間もかかりますが、美味く
できた時は、「手間隙かけて良かったな〜!」 という感動も同時に味わえますよ (*^^)v
《 作り方 》
1 下処理 〜 塩漬け

シンプルな味付けなので、味や食感は豚肉の質に左右されます。できるだけ新鮮な肉、できれば
国産豚で作りたいものです。
肉は余分な脂部分を切取り、上の写真のようにある程度丸くなるように整形します。
(余った部分は他の料理、我家では酢豚やカレーに利用してます。)
次に、塩とスパイスが良く染み込むように、肉の表裏にまんべんなく肉刺しをします。

塩漬けは乾塩法でおこないます。熟成期間は冷蔵庫で1週間〜10日。雑菌の進入には万全の
注意が必要です。 りんごの薄切りを入れると甘い香りがついて一味違いますよ。
《豚ロース肉1kg》
粗塩30g、三温糖20g、黒胡椒2g、オールスパイス5g、セージ1g をよく混ぜて
肉にすり込み、ビニール袋(2重)に入れます。玉ねぎ1/3、りんごの薄切り適宜、
日本酒約30ccを入れ、できるだけ空気を抜いて口を縛ります。(日本酒は好みです。)
熟成期間中、1日1回は揉んでひっくり返して・・・を繰り返します。
***** 塩抜きをしない場合の漬け込み *****

《豚ロース肉1kg》
塩22g(2.2%)、三温糖14g、黒胡椒2g、オールスパイス4g、セージ少々をよく混ぜて
肉にまんべんなくすり込み、玉ねぎ1/3、りんごの薄切りを加え、フードセーバーで脱気
密封して冷蔵庫のチルド室で10日〜2週間2週間ほど熟成させます。
(玉ねぎはオニオン・パウダーでも良いかも・・・)

これが、熟成終了後に袋から取り出して表面を洗い、水分を拭き取った肉です。
新鮮そのもので、塩抜きをした後のブヨブヨした感じは微塵もありません。
ただし、包丁やまな板、手をアルコール消毒するなど、衛生管理は万全に!
2 塩抜き

綺麗に洗った洗い桶に溜めた水で軽く(肉の形を整える程度)揉み洗いし、さらに1時間に1回
くらい水を換えながら約3時間程塩抜きします。
3 脱水&風乾

まず、脱水です。キッチンペーパーを敷き、肉を置き、さらにペーパーをかぶせ、形を整えるよう
に手のひらで軽く押さえつけます。肉をひっくり返し、水気が出てこなくなるまで、何度も繰り返し
ます。

次に、風乾です。私は、 ピチット・シートを使ってます。冷蔵庫で約8時間(一晩)です。
通常の風乾は、日陰、外気温20度以下で、8時間くらい行います。
4 糸巻き

包むものは燻製用の透過性セロハンかさらしを使いますが、セロハンは滑るし破け易いので
作業が難しく、さらしは肉に繊維の跡や糸くずがつきます。
ということで、私は上の写真のようにセロハンに包んだ後さらしを巻いてます。

肉をできるだけきつく、キャンディのように包みます。片側の端をタコ糸で縛り、縛った方に肉を
寄せ、もう片方も縛ります。その後均等な間隔でタコ糸をなるべくきつく巻きつけていきます。
5 温熱乾燥 〜 燻煙

スモーカーに入れ、50〜55℃で1時間〜1時間30分ほど温熱乾燥を行い、次に約60〜65℃
で3時間ほど燻煙します。(煙はたっぷりと・・・)
6 殺菌(ボイル)

お湯の温度を安定させるため、大型の鍋にたっぷりのお湯を入れてボイルします。
燻煙後の肉の中心温度は40〜50℃くらいですから、お湯がこれくらいの温度になったら肉を
入れます。すのこ等を使って、肉が直接鍋底に触れないようにしましょう。
お湯の温度は68〜72℃を厳格にキープします。75℃を超えると肉が硬くなり、表面がぼそぼ
そになって美味しくなくなってしまうので、温度計は必須です。
殺菌は「肉の中心温度63℃で30分」が目安です。私は肉の中心温度を測るため肉用温度計
(ミートサーモ)を使ってます。
※ 肉用温度計が無い場合:肉の大きさにもよりますが、1時間40分から2時間ボイルすると
これをクリアできます。

ボイルが終わったら肉を氷水で30分ほど冷まし、引き締めます。

冷めたら表面の油と水分をきれいに拭き取り、完全に冷めてから冷蔵庫で一晩くらい寝かせます。
寝かせることにより水分や味がなじんで美味しくなります。弾力も出てきます。

真空パックにし、チルドで保存すると一か月以上保存できます。冷凍保存は避けた方が良い
と思います。
ページTOPへ
|