トレンドの定義

 テクニカル分析を行うにあたり、トレンドの概念は必須のものとされます。「常にトレンドに沿った取引をせよ」、「トレンドに逆らってはならない」、「トレンドを友にせよ」とよく言われます。ここでは、トレンドとは一体何かを定義、分類していきます。
 一般的には、トレンドとはマーケットの動く方向を意味しますが、正確に定義すると、普通どの方向にであれ、価格は直線的に動くことはなく、ジグザグに動きます。ジグザグは、をもつ連続的な波に似ていますが、この山と谷が形成する方向を、マーケット・トレンドといいます。
上昇トレンドは、より高くなっていく山と谷の連続的な波と定義され、下降トレンドはその逆、水平な山と谷の波は、横ばいトレンドを表します。

山と谷が上方シフトする上昇トレンドの例

山と谷が上方シフトする上昇トレンドの例

山と谷が下方シフトする下降トレンドの例

山と谷が下方シフトする下降トレンドの例


トレンドの方向と分類

トレンドには3つの方向がある
 トレンドには、上昇トレンド・下降トレンド・横ばいトレンドの3種類があると述べてきましたが、多くのテクニカル・ツールやシステムはトレンドを追いかけるように作られています。つまり、市場の上昇または下降を想定しているため、マーケットが横ばいトレンドのときには、ほとんど役に立ちません。問題はシステムよりも、横ばいトレンドにシステムを適用しようとするところにあります。
トレーダーには3つの選択肢があり、「買うか」、「売るか」、または「何もしないか」です。横ばいトレンドの時はマーケットに参加しないことが賢明だと言われてます。

トレンドには3分類ある
 
トレンドには上昇・下降・横ばいの3つのトレンドに加えて、主要トレンド・二次的トレンド・小トレンドの3つに分類できます。実際には、1分、1時間といったごく短いものから、50年、100年といった非常に長いものまで、数多くのトレンドがあります。
 ダウ理論では1年超のトレンドを主要トレンドとしています。
また商品市場においては、通常株式よりも短期間のトレードをするので、6ヶ月超をもって主要トレンドとしたほうがよいと思われます。

3つのトレンドの例

3つのトレンドの例。1234を結ぶのが長期トレンド。2から3にかけての波は、この長期トレンドのなかの調整局面。おのおのの中期波は、いくつかの短期トレードに分かれる。例えば、2から3にかけての中期波は、A-B-Cの短期波に分かれる。


サポートとレジスタンス(指示線・抵抗線)

 価格は、山と谷を繰り返しながら動いていき、その方向がマーケットのトレンドを決定することを述べてきましたが、ここではサポートとレジスタンスについて述べていきます。

 上昇後に反落してつけた安値はサポートと呼ばれ、チャート上で売り圧力に勝る買い意欲が存在する価格水準ないしは領域のことです。通常サポート・レベルとは、前回反落時の安値と定義されます。
 レジスタンスはサポートと逆で、売り圧力が買い圧力に勝る価格水準ないしは領域のことを指し、通常レジスタンスは前回高値と定義されています。

上昇トレンドにおいてサポートとレジスタンスが切り上がっているようすを示したもの

上昇トレンドにおいてサポートとレジスタンスが切り上がっているようすを示したもの。ポイント24がサポートだが、これはそれまでの反落時の安値である。ポイント13はレジスタンスで、それまでの高値である。

ダウン・トレンドにおけるサポートとレジスタンスを示したもの

ダウン・トレンドにおけるサポートとレジスタンスを示したもの

トレンド転換の一例

トレンド転換の一例。ポイント5で、前回の高値であるポイント3を越えるのに失敗し、さらに前回の安値であるポイント4を下に抜けたことで、トレンド転換をしている。ダブル・トップと呼ばれるパターンである。

ボトム・リバーサル・パターンの一例

ボトム・リバーサル・パターンの一例。ポイント5で、前回の安値であるポイント3を抜けなかった時が底値形成の最初のシグナル。さらにポイント4の高値を抜けたことで底を確認。


サポートとレジスタンスの逆転

サポートは前回の安値、レジスタンスは前回の高値と定義してきましたが、サポートとレジスタンスが逆転することがあります。サポートやレジスタンスが一度決定的に破れられると、今度は役割が逆転して、レジスタンスがサポートになり、サポートはレジスタンスになります。

上昇トレンドでは、一度破られたレジスタンスがサポートになる

上昇トレンドでは、一度破られたレジスタンスがサポートになる。1のレジスタンスが一度ブレイクされると今度はそれが4でサポートになっている。つまり、前回の高値が次の調整でサポートとして機能する。

下降トレンドでは、一度破られたサポートがレジスタンスになる

下降トレンドでは、一度破られたサポートがレジスタンスになる。1のサポートが一度ブレイクされると今度はそれが4でレジスタンスになっている。つまり、前回の安値が次の調整でレジスタンスとして機能する。


トレンド・ライン

トレンド・ラインとは、ある一定方向に動く安値と安値、高値と高値を結んだ長期的な価格の動きを見るものです。切り上がる安値と安値を線で結んだのが上昇トレンド・ラインであり、切り下がる高値と高値を線で結んだのが下降トレンド・ラインである。

上昇トレンド・ラインの例

上昇トレンド・ラインの例。上昇トレンド・ラインは切り上がる安値を結んで引いていく。まず、ポイント1とポイント3を結んで引いたうえでポイント5を経て、これが有効と確認されます。

下降トレンド・ラインの例

下降トレンド・ラインの例。下降トレンド・ラインは連続的に切り下がる高値を結んで引く。まず、ポイント1とポイント3を結んで引いたうえでポイント5を経て、これが有効と確認されます。


チャネル・ライン

価格は2本の平行線、つまり、基本的なトレンド・ラインとチャネル・ラインの間を動きます。もし、実際のマーケットがそのような状態にある時は、チャネルの存在を確認して利益を狙うことができます。また、チャネル・ラインは短期的な利食いをする場合にも効果的に利用されます。

基本となるトレンド・ライン(点1と3を結んだ線)がいったん引かれると、チャネル・ライン(点線)を初めのピーク2から基本となるトレンド・ラインに平行に引くことができる。

基本となるトレンド・ライン(点13を結んだ線)がいったん引かれると、チャネル・ライン(点線)を初めのピーク2から基本となるトレンド・ラインに平行に引くことができる。


他の利用法として、価格がチャネルの上限に到達できなかった場合、これをもって現行トレンドの勢いが弱まってきた兆候とする見方もある。

他の利用法として、価格がチャネルの上限に到達できなかった場合、これをもって現行トレンドの勢いが弱まってきた兆候とする見方もある。


上昇チャネルが破られた場合、新たにチャネル・ラインと平行にトレンド・ラインを引き直すこともできる。

上昇チャネルが破られた場合、新たにチャネル・ラインと平行にトレンド・ラインを引き直すこともできる。すなわち、ライン35にあわせてライン46を平行に引く。上昇トレンドが加速しているわけだから、基本となるトレンド・ラインも同様に加速しているはずだと考えられるからである。

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