第四章・上陸

数々の苦難を乗り越え、アカイアの大船団はようやくトロイア近くの海岸にたどり着いた。 しかしそこにはイリオス勢(トロイア勢)が待ち構えていたのだ。
最初の上陸者であるプロテシラオスは、物陰から襲い掛かってきた名もない一兵卒の槍に倒された。


豆知識:プロテシラオスとラオダメイア

トロイア攻略の際、最初の上陸者で最初の戦死者となったプロテシラオスはまだ新婚で新居もまだ建設途中であった。 新妻であるラオダメイアとは一夜を伴にしただけで出陣し帰らぬ人となってしまった。
夫の戦死を知ったラオダメイアは嘆き悲しみ、彼に似せた蝋人形を作り夜な夜な話し掛けていた。
一方冥界へ下ったプロテシラオスもラオダメイアへの想いを捨てきれず、冥界の王妃ペルセポネーに哀願し、ヘルメス神の案内で、1夜だけ地上へ帰ることが許された。 プロテシラオスの姿を見たラオダメイアは戦死したはずの夫が凱旋してきたと思いことのほか喜んだ。
しかし、別れのときがきて彼女は夫はもうこの世の者ではない事を受け入れるしかなかった。
そして彼女は剣で胸を貫き亡夫のもとへ旅立ったのだ。



賽を振るアキレウスとアイアース 2番目に地上に降り立ったのはアキレウスだった。彼は待ち構えていたイリオス勢を撃退し、味方の上陸を助けた。
そのアキレウスの前にイリオス側の武将キュクノスが立ちはだかった。海神ポセイドンの息子であるキュクノスは、不死身に近い体をもち鉄でも青銅でも傷つけることが出来なかった。 そこでアキレウスは大石を彼の頭に投げつけて地上に打ち倒したのだ。
キュクノスが倒されたことにより恐れおののいたイリオス勢は、イリオスの城壁の中へと逃げ去って行った。
その間にアカイオイの船団は、浜辺に船を引き上げ、その周囲に小屋を建て壁を築いて陣営とした。
アカイオイとイリオス勢はスカマンドロスの河畔、それにつらなる平原での攻防を繰り広げたが、イリオスの城壁は堅く周辺の国々からの援軍も加わり9年の歳月が過ぎていった。 アカイオイはその9年の間、周辺の国々や都市を幾度となく襲い物資の補給や金品の強奪、女たちを奴隷としながらイリオスと対峙していた。


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