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パリスが戦死しイリオス城内は悲嘆に暮れていたが、戦争の原因でもあった彼を失ったことでヘレネを返却すればこの永きにわたる戦いも終わるかに思えた。
ヘレネ自身も庇護する者を失いこの先の自分の行く末を案じていたが、プリアモスの残された息子ヘレノスとデーイポボスがパリスの後釜になることを申し出た。
すなわちどちらかがプリアモスの後継ぎとなるとともにヘレネを妻に迎えるということである。
この争いに勝利したのはデーイポボスであった。ヘレネの夫に選ばれなかったヘレノスは失望し、トロイアに失望して一人イーデー山に隠居してしまった。
一方アカイア陣営では早くもカルカスがヘレノスのことを察知した。
カルカスはヘレノスがイリオス攻略の重大な秘密を握っていると話し、この戦いに勝利するにはヘレノスを見方に引き入れることが絶対の条件になるとオデュッセウスをイーデー山に向かわせた。
オデュッセウスがイーデー山に現れるとヘレノスは大変驚いたが、トロイアに愛想を尽かしていた彼は自分の身の保身と引き換えにイリオス落城の秘密を教えることを約束した。

ヘレノスがアカイア勢に洩らしたイリオス落城の絶対条件とはイリオス城内に祭られている武装した女神アテナのパラディオンを奪うことであった。
パラディオンを奪うということはすなわちイリオス城内に潜入しなくてはいけないのだが、それにはオデュッセウスとディオメデスの2人が名乗り出た。
オデュッセウスは闇夜に乗じかねてから目星を付けていた城壁の低い部分からディオメデスの肩車により中に潜入した。
そして乞食姿に身をやつしイリオス城内に忍び込むとなんとヘレネと鉢合わせをした。無理やりデーイポボスの妻とされトロイアに不満をもっていたヘレネに望郷心が沸き起こり、オデュッセウスにいろいろなことを訊ねた後、彼をアテナ神殿へと手引きした。
オデュッセウスが見張りの兵を切り倒し扉を開けて神殿の中に入ると、プリアモスが万が一の為に作らせておいた偽者のパラディオンが何体もあったが、ヘレネの導きで無事本物のパラディオンを盗み出すことに成功した。
オデュッセウスは神像をかかえ、ヘレネと別れるとディオメデスの待つ城壁へと戻り2人は無事パラディオンを手にしてアカイア陣営へと帰っていった。
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